凄腕ピアニスト・キーボーディスト列伝1 ミシェル・ペトルチアーニ

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ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)

かんたん似顔絵くんβ」さんで作りました。ペトさんのつもり。(肖像権の問題で勝手にCDジャケットとか掲載しちゃダメなんですよね)

鍵くん
鍵くん

ミシェル・ペトルチアーニってどんな人?

ぺと<br>
ぺと

生まれ持った病気にも負けず、全てを受け入れ力強いプレイをするピアノプレイヤーとは僕のことさ!

と、本当に言ったかどうかは知りませんがとにかく自信家だったそうです^^

ここでは以下がわかります。

  • 何年(何歳)の時にどこで誰と何をしていたのか?
  • CD、DVDへのリンク
  • コピー楽譜へのリンク

名言もどうぞ。

人間であるために、身長が180cmある必要はないことを、人々は理解しない。大切なのは、頭と体の中にあるもの、特に、精神の中にあるものなんだ」――ミシェル・ペトルチアーニ

DVD「情熱のピアニズム」紹介文より

自信家で、ビッグマウス。好奇心の塊。きまぐれで楽天的。孤独を嫌い、女にとっては、裏切り者。凄まじい障害を抱えながらも、音楽と女たちから愛された天才ジャズピアニスト。〜DVD

DVD「情熱のピアニズム」紹介文より

■奏法の特徴

全身の力を腕と指を通じて鍵盤へ伝えるような力強いタッチです。
その力強さが災いし、腕を何度も骨折していたそう。
指をピアノの右端のほうに持っていく際、体ごと傾けて持っていくので元に戻れるのかと不安になりますが、お尻が大きいことが幸いし、スムーズに元のポジションに戻れていました。(起き上がりこぼし?ちょっと可愛らしいですね)

めちゃくちゃ速い同音連打や、同じフレーズの素早い繰り返しがアドリブで結構多めに見られます。
A列車の左手は私が真似したら腱鞘炎になりそうなくらい早いフレーズのオンパレードです。

素早いフレーズで、尚且つ粒のそろったクリアな音であるためクラシック界でも人気がありました。幼い頃、クラシックの指練習曲をずっと弾いていたそうで、そんな地味な練習の積み重ねが彼らしい音の基盤になったんだと思います。

■練習時間

幼い頃の練習時間は1日10時間くらいだったそうです。

父親であるトニー・ペトルチアーニが経営していた楽器店の二階にピアノがあり、ミシェルはそれを弾いていたのですが
ピアノの音が止まると一階にいる父親が棒で天井を叩いて「練習をしろ」と催促していたそうです。
なかなかスパルタ教育?ですね。でも基礎練習をしっかりできたことでプレイの幅が広がったでしょうから結果的に良かったのかなぁ。よくピアノを嫌いにならなかったなぁ。。とも思いますが。

■私が彼を知ったきっかけ

私が彼を知ることになったきっかけは、クラシックピアノ専門の友達から教えてもらったこと。
その時には名前しか聞かなかったので、自力でCDを探していました。最初に買ったのはアルバム「Music」でした。
大学時代にジョーサンプルとミシェルペトルチアーニを聴いたことで、私の音楽に対する向き合い方が随分変化しました。これまでゲーム音楽とクラシック音楽ばかり聴いていた自分に、広い音楽の世界を教えてもらったような感覚。
キーボードマガジンに入社することができたのも、編集長との面談の際にこのお二方の名前を出し熱く語ったからと言っても過言ではないはず!

その熱い気持ちは今も変わらない、私にとって永遠のピアノヒーローです。

では早速。生年月日から年史を追っていきましょう。

■年始

生年月日:1962年12月28日
没日:1999年1月6日(36歳没)
出身:フランス
ジャンル:ジャズ

1966年 4歳 TVで見たデューク・エリントンの音楽を好みピアニストになりたいと思う
1967年 5歳(あるいは6歳) フランスのオランジュ古代劇場にてカウント・ベイシーを聴く(ペトルチアーニ記念切手があるみたいです!)
1970年 8歳 ダンスホールで初舞台。ギャラはオレンジ1個。
1975年 13歳 ドローム県、クリウスクラ・ジャズ・フェスティバルに出演、プロデビュー。
1980年 17歳 パリで最初のアルバム『フラッシュ』 を録音、レコードデビュー。同年、ビル・エヴァンスに出会いました。
1981年 18歳 カリフォルニアへ渡米。友人の紹介でビック・サーにあるエサレン研究所にて住み込みで働く。
1986年 24歳 1986年スイス・モントルー・ジャズフェスティバルに出演した際、サクソフォーン奏者のウェイン・ショーター、ギタリストのジム・ホールと共演。リズム隊無し。ピアノ、サックス、ギターという変則トリオです。
1997年 34歳 スティーヴ・ガッド、アンソニージャクソンとともに来日。ブルーノート東京でライブ。この時のライブ音源がアルバム『Trio in Tokyo』
1998年 35歳 公演が年間200本以上になるが、1998年の暮れにツアー先のニューヨークで肺炎にかかる。
1999年 36歳 マンハッタンのベス・イスラエル病院に入院。朝4時28分逝去。享年36歳

ミシェル・ペトルチアーニは生まれつき骨形成不全症という障害を背負っていました。
彼の身長が成人になっても1メートル程度しか伸びなかったのは、この病気が原因。
足がピアノのペダルに届かなかったため、父親が作成したペダル踏み機を使っていました。
でも腕のサイズは標準サイズだったそうでピアノを弾くことは難しくはなかったようです。
晩年は自宅用のスタインウェイピアノを購入した際、スタインウェイが彼用に特別にペダル踏み機を作ってくれていました。

それにしても早すぎる死。無念ですが残された音源や映像で彼を時々思い出しています。

■おすすめCD TOP3

No.1 『Power of Three』

変則トリオならではの繊細さとダイナミックさを感じられる1枚

1987年発売。ピアノとギターとサックスといった珍しい編成です。リズム隊がいないのでウェイン・ショーター、ジム・ホールとミシェル・ペトルチアーニそれぞれ個々のプレイがクリアに聞こえます。各楽器の奏者は特に面白く感じるアルバムです。




No.2 『Trio In Tokyo』
臨場感とグルーヴが半端なく鳥肌が止まらない!

1997年、スティーヴ・ガッド、アンソニー・ジャクソンのトリオで来日し、ブルーノート東京で演奏したライブ録音。
力強いタッチを支えるリズム隊のしなやかさと強さのバランスの素晴らしさ。1曲目「Training」の1音目から圧倒的な存在感を持った音が耳から全身に一瞬で伝わり、しばらく感動して鳥肌が止まりません。
3人の織りなすグルーヴはもとより、その場にいるような気にさえなる臨場感溢れるレコーディングも良いですね。音のうねり、波が溢れていてずっと溺れていたくなる素晴らしい作品です。

No.3 『Music』
彼にとっての新たなチャレンジ的CD。今こそエモいのかもしれない

1989年録音。初めて本格的にシンセサイザーを導入した作品です。
シンセに疎かったペトルチアーニが、当時マイルス・デイヴィス(tp)のグループで活躍していたアダム・ホルツマン(kb)とギル・ゴールドスタイン(kb)にアドバイスを求め完成させました。
シンセサイザーを使うことによりリスナーの意見は賛否両論ですが、私令和6年の今、一周回ってエモいサウンドだと感じます。
時代とともに良さが変わるアルバムでもあり、ミシェル・ペトルチアーニの新たなチャレンジが垣間見える1枚です。

番外編 生い立ち、女関係、絡んだミュージシャンまで丸わかり

ドキュメンタリー映像「情熱のペトルチアーニ」
AmazonPrimeVideoページへリンクしています。

『イル・ポスティーノ』『ヴェニスの商人』を手がけた監督マイケル・ラドフォード による作品です。
本編にはペトルチアーニはもちろん、ジャズドラマーのアルド・ロマーノ、レコーディングアーティストのチャールス・ロイド、サクスフォーン奏者のリー・コニッツなど有名ミュージシャンたちがそれぞれの思いで“ペト”を語っています。

これを見た後、多くのピアニストは本能的にピアノが弾きたくなるでしょう。

楽譜2冊

Michael Petrucciani: Great Musicians Series

曲目一覧
Amazonのリンク先には曲目が書いていなかったので、こちらに記載しておきます。
13th
Black magic
Brazilian like
Brazilian suite
Brazilian suite #2
Brazilian suite #3
Cantabile
Colors
Contradictions
Dumb breaks
Even mice dance
Home
Little peace in C for you
Looking up
Lullaby
Miles davis licks
Montelimar
O nana oye
One night at Ken and Jessica’s
Piango, pay the man
Play me
Sahara
September second
Training

Michel Petrucciani : The book フランス語版
Amazonのリンク先には曲目が書いていなかったのですが、発見できず。。

ミシェル・ペトルチアーニと最後まで一緒にプレイしていたベースのアンソニー・ジャクソンは、後に上原ひろみともザ・トリオ・プロジェクトに参加しています。
ドラムのスティーヴ・ガッドはジョー・サンプルのアルバムにも参加してます。

上原ひろみ、ジョー・サンプルについてはまた後日書きたいと思います。

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